仏教トリビア〜暮らしの中の仏教語〜
第二十一回【くしゃみ】
「ハァークション!」のくしゃみです。
その昔、お釈迦様が弟子たちの前で、「ハァークション!」と大きなくしゃみをなさいました。すると弟子たちは、あわてて手を合わせてなにやら唱え始めます。「クサンメ、クサンメ、クサンメ…。」 実はこの「クサンメ」と言うのは、古代インド語で「長寿」という意味をもった言葉なのです。つまり弟子たちは、お釈迦様のお体を心配するとともに「どうぞ長生きしてください」の祈りを込めて「クサンメ、クサンメ−−−−−長寿、長寿」と唱えたわけです。
やがてこの「クサンメ」は中国に渡ると「休息万命(くそくまんめい)」と音写されるのですが、おもしろいのは古代インド語の「クサンメ」が変化して「クシャミ」になり、日本語の「くしゃみ」になったということ…。