仏教トリビア〜暮らしの中の仏教語〜
第十九回【我慢】
辛抱すること、耐え忍ぶことなど、現在ではよい意味に用いられますが、もともとはあまりよい意味ではありません。
「慢」は、サンスクリット語「mana(マーナ)」の漢訳で、思い上がりの心を指し、その心理状態を七つに分けたものを「七慢」と言いますが、その中の一つに「我慢」があります。
「我慢」とは、自己の中心に「我」があるとの考えから、自分に執着することから起こる慢心を意味し、そこから「我を張る」「強情」などの意味として使われるようになりました。更に、「我が強い」「負けん気が強い」「頑張る」「辛抱する」などと変化し、人に弱みを見せまいと耐え忍ぶ姿から、現在使われている「我慢」の意味となりました。