仏教トリビア〜暮らしの中の仏教語〜
第十六回【有頂天】
少し前に、「有頂天ホテル」という映画がありましたが、この「有頂天」という言葉も、もともとは仏教用語です。
この世に生を受けた生命は死後、生前の罪により、地獄道、餓鬼道、畜生道、修羅道、人間道、天道の六道で生死を繰り返す(六道輪廻)と言われています。その六道の中で一番高いところが「天」の世界です。この天の世界が更にいくつかの段階に分かれていて、その中でも頂上に有る天を、「有頂天」と呼びます。
それが、「天の最上の天に登りつめる。絶頂を極める」の意味に転じて、現在の「喜びで舞い上がるさま。一つのことに夢中になり、うわの空になるさま」を意味するようになりました。